古カラー

Furukara

和田三造『配色総鑑』の色を辿るiPhoneアプリ。1933年から1935年に かけて東京で刊行された原本のスキャンから、一色ずつ測色しています。

原本について

和田三造(1883–1967)は、色を実際的な問題として扱った画家でした。何のとなりに何を 置くか、という問題です。1933年から1935年にかけて、東京の博美社が『配色総鑑』を分冊で刊行します。 各図版は、色紙を隙間なく並べた短い一列。日本語と英語で色名が添えられ、ほかにはほとんど 何もありません。紙面の大半は余白です。

英語の色名は日本語の訳ではありません。印刷の際に綴りを誤ったものもあります。日本語の 色名は旧かなづかいです。古カラーは原本のとおりに両方を示し、手を加えた箇所は明示します。

時と場所をこえて

  1. 1933

    『配色総鑑』・東京

    和田三造が二年にわたって図版を重ね、各色に日本語と英語の名を与えます。画家である 彼にとって、その英語名は引用でした。図版に載る180の英語名のうち144が、ある一冊に 由来します。アメリカの博物学者ロバート・リッジウェイによる色見本集です。

  2. 1912

    Color Standards and Color Nomenclature・ワシントン

    リッジウェイ(1850–1929)が私費を投じ、1,115色を名前つきの色票として印刷します。 Vernonia Purple、Laelia Pink、Hay's Russet。そして Cotinga Purple。熱帯アメリカの 鳥に由来するこの名が、東京では杜若色のとなりに刷られました。すべては、自然界の色を語る 共通の言葉をつくるための試みでした。

  3. 1875

    A History of North American Birds

    リッジウェイはスミソニアン博物館の鳥類部門を預かる鳥類学者で、辞書では解けない 問題を抱えていました。鳥の喉の色は、ただ「茶色」ではない。別の博物学者が同じように 読み取れる言葉で羽毛を記述すること、それが仕事のすべてであり、そのための言葉はまだ 存在しない。だから彼は言葉をつくります。1886年に最初の試み、1912年に1,115色の完成版。 ベアード、ブリューワーとの共著であるこの本の手彩色図版が、古カラーに収めた鳥です。

1933年の東京で編まれた配色集の英語は、こうして、鳥の喉の色を正確に 言い表そうとしたひとりのアメリカ人まで遡ります。古カラーはリッジウェイの鳥を和田の色と 並べて置き、その筋道をひととおり辿れるようにしました。

色の出どころ

すべて国立国会図書館が公開するパブリックドメインの スキャンから測色しています。現代の復刻版や既存のデジタル色見本から写したものは一つも ありません。それらは結果を検証するためだけに用いました。

測色はD50光源下のCIELABで行い、図版ごとにその紙の白で正規化しています。九十年を経た 紙は一様には褪せないためです。同じ色が複数の図版に現れ、それぞれで測定値が食い違う場合は、 その差をアプリ内に表示します。

収録内容

一つの色から始めて、和田がそのとなりに置いた色を見る。「夕暮れの雨の晩」といった 一文から、それに合う図版を引く。写真を撮って、情景全体、あるいはその中の一つの色に 近い配色を探す。B篇の月ごとの配色は、お使いの端末の地域設定に合わせ、南半球なら南半球の 季節の順に並びます。もちろん、原本の順に、スキャンから測った比率のまま通して読むことも できます。

アプリのうち二つの部分は和田の仕事ではなく、画面上にもそう記しています。一つは、 上記1875年の本の手彩色図版から切り出した492点の鳥。学名、現在の学名、日本語名(ある場合)、 そして刷られた鳥から測った色を添えています。もう一つは、和田の選色の癖をリッジウェイの 1,115色に適用して構成した60の配色で、「モダン・アディション」としてまとめてあります。

テスト配信

古カラーは、正式公開に先立ちTestFlightでベータ配信しています。iPhoneで動作し、 オフラインで使えます。アカウント登録は必要ありません。

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お問い合わせ

誤りのご指摘を歓迎します。色名の読みが違う、この鳥はその鳥ではない、といったことが あれば、hello@furukara.com までお知らせください。

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